大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和41(あ)1354 決定

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人両名の弁護人網田覚一、同浅野承治、同中山福蔵の上告趣意は、判例違反

をいうが、引用の各判例は、いずれも、事案を異にし、本件に適切でなく、その余

の論旨は、量刑不当の主張であつて、すべて、刑訴法四〇五条の上告理由に当らな

い。

被告人Aの弁護人小坂重吉の上告趣意第一点は、違憲をいうが、同被告人の所論

関税法違反の所為と所論拳銃不法所持の所為は、所論のように観念的競合の関係に

立つものとは認められないから、右違憲の主張は、前提を欠き、適法な上告理由に

当らない。同趣意第一点は、また、判例違反をいうが、引用の判例は、本件と事案

を異にし適切でなく、刑訴法四〇五条の上告理由に当らない。

同趣意第二点は、各判例違反をいうが、いずれも原審で主張判断を経ていない事

項に関する攻撃であつて、適法な上告理由に当らない。同第二点中その余の論旨は、

単なる法令違反の主張であり、同第三点は、量刑不当の主張であつて、刑訴法四〇

五条の上告理由に当らない。なお、原判決が、被告人Aの犯罪事実に対する適用法

条を判示するにあたり、刑法四五条前段、四八条一項を明記していないことは、所

論のとおりであるが、原判決が判示各罪につき懲役刑と罰金刑をそれぞれ選択した

うえ、両者が刑法四五条前段の併合罪の関係に立つことを認めたうえ、同法四八条

一項を適用して主文の刑を言い渡したものであることは、原判文に照らしおのずか

ら明らかである。かような場合に、刑法総則の規でてある右各条の適用をあえて掲

げなくても違法とするに足りないことは、当裁判所の判例とするところである(昭

和二四年一一月二九日当小法廷判決、刑事裁判集一四号八四一頁、同二六年九月一

八日当小法廷判決、同五三号六一頁参照)。

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また、記録を調べても、各所論の点につき刑訴法四一一条を適用すべきものとは

認められない。

よつて、同四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文

のとおり決定する。

昭和四二年三月一四日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 田 中 二 郎

裁判官 柏 原 語 六

裁判官 下 村 三 郎

裁判官 松 本 正 雄

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